25周年 !! 平成15年4月 
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 神戸・もとまち寄席 恋雅亭 落語の灯ともし25年
                             神戸新聞の記事より
2003/04/06

 豪華メンバーの上方落語が楽しめる地域寄席「もとまち寄席 恋雅亭(れんがてい)」(神戸市中央区)が四月、二十五周年を迎えた。地元の住民らが運営し、大御所をはじめとする各一門の噺家(はなしか)が出演する全国的にも珍しい会。阪神・淡路大震災で運営メンバーも被災し一時は存続が危ぶまれたが「神戸から落語の灯を消してはいけない」と奮闘してきた。十日には林家染丸、桂三枝らを迎え開席記念公演を開く。

 関西各地での劇場以外で市民が開く地域寄席は現在約二百。その先駆けとなったのが一九七二年に始められた「柳笑亭」(同市兵庫区)。当時会社員だった故楠本喬章さんが裏方を務めた。

 「柳笑亭」を引き継ぐ格好で「もとまち寄席」が七八年四月に開始。毎月十日の夕方、神戸・元町通商店街にあるホールで開かれる寄席は、楠本さんが経験を生かし噺家を選出。一門一派に偏らぬ質の高い内容を心がけ、桂米朝さんら大看板クラスが出演した。

 九四年、楠本さんが亡くなった後は、ここへ足しげく通った会社員や主婦らが「恋雅亭同人会」を結成し、出演交渉にあたることになった。

 震災でメンバーも被災したが、客や噺家の激励の声に後押しされ五カ月後再開にこぎつけた。以来、桂あやめさんらの襲名披露公演も行われるなど、若手にとってはあこがれの高座にもなった。

 同人会代表の会社員吉村高也さん(49)=同市灘区=は「お客さんの情熱が噺家の皆さんにも伝わって『恋雅亭』にまた出たいと言ってもらえる。二十五年は一つの区切り。息の長い地道な活動を続けたい」と話している。四月公演の前売り券は完売している。